── 梶木あきこさんインタビュー
あなたは、ついつい「片づけなきゃ」と思いながらも、育児と家事に追われて後回しにしていませんか?
確かに、散らかった部屋を見ると気持ちが焦るし、SNSには素敵な暮らしがあふれていて、「私だけできていない」と落ち込むこともありますよね。
その一方で、「片づけを気にしすぎて休めない」「子どもと向き合う余裕がない」と悩む声も多数。
実は、おうちの仕組みを”整えるだけで、ママに心と時間の余白ができ、子どもの“自分でやりたい!”を伸ばす環境が整うのです。
今回は、訪問・オンラインで片づけサポートを行い、自治体連続講座でも人気の梶木あきこさんに、暮らしと子育てを同時にラクにする方法を伺いました。
「片づけが苦手」「時間が足りない」と感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
■片づけが苦手だった私が、“整える”プロに
「実は私、昔は片づけが大の苦手だったんです」
元・くもんの社員だった梶木さん。長男誕生後、知育玩具を次々購入した結果、床一面におもちゃが散らかりカオスに。
「片づけ方がわからず、毎日イオンや児童館に“避難”していました。
家事も育児も思うように回らなくなっていました」
転機は息子が2歳のとき。「何とか暮らしを立て直したい」と片づけを学び始めた。
「片づけは 『今の私やわが子に本当に必要か』を一つずつ決めていく連続の作業。
誰かの“正解”に合わせるのではなく、自分で選べるようになると、他人と比べて落ち込むことが減りました」
■オンライン伴走で“おうちの仕組み”を設計
訪問・オンラインでおうちの仕組み作りをサポート。育休復帰前など時間がない時期でも、一気にレイアウトを整えることで散らかりにくさが根本から解決。
「片づく→散らからない」を同時に叶えられるのが大きな魅力です。
「導線を変えるとリバウンドしにくい。
廊下や入り口にあったおもちゃを奥へ移すだけで“視界ストレス”が激減した例もあります」
視界に入るたびストレスが積み重なる。でもリビングの奥など“普段あまり通らない場所”に移すだけで、多少散らかっていても気にならなくなるそう。
導線も大きなポイントだと梶木さんは語ってくれました。

■“余白”とは、ママが「休んでいい」と思える状態
片づけが苦手なママからいちばん多く届くのは、「少し時間が空いても片づけが頭から離れず、座ってお茶を飲むことすら罪悪感」という声。
たとえば子どもがお昼寝した10分でさえ “あの棚を片づけなきゃ” と心が落ち着かず、スマホを開けば「映え収納」の投稿が目に入ってさらに自己嫌悪……そんな悪循環に疲れてしまう方が本当に多いのです。
「余白とは、『今は休んでも大丈夫』と自分に許可を出せる心と時間のスペースです。
読み聞かせや工作、外遊びを“また今度”で終わらせず、すぐ実現できる状態でもあります」
■整った家が、子どもを伸ばす
環境が整うと、幼児でも積極的に“自分でやる”が増えるといいます。
・自分の服を選んで着替える
・遊びたい道具を自分で取り出し、遊び終わったら戻す
・配膳や掃除を「手伝いたい」と楽しむ
「成功体験が増えると、自信・集中力・好奇心が伸びるんです」
特に3〜5歳は“自分でやりたい”欲求が強い時期。環境を整えるだけで声かけ以上の効果があります。

■「片付けしなきゃ」のプレッシャーから抜け出す3つのポイント
片づけを習慣化するコツを3つ伺いました。
・15分で完結する
“子ども用クローゼットの半袖トップスだけ”のように作業範囲を小さく切り取り、短時間で終わる成功体験を積み重ねましょう。
「いっぺんにやろうとせずエリアを小さく区切って、すき間時間15分で進めるのがコツです。
『今日はこの引き出しだけ』で大丈夫。」
・“ながら片づけ”を取り入れる
たとえば歯みがきをしながら古タオルで洗面台を拭いたり、子どもがお絵かきしている横でペンを試し書きしてインク切れを処分したり—日常動作に片づけを紛れ込ませれば負担感が激減します。
「ながらでできるお片づけとかお掃除とかを取り入れてもらうと、お掃除作業も気持ちも楽になります」
・どうしても時間が取れないときにはプロの力で導線ごと住まいを見直す
育休復帰前など余裕がない時期こそ、訪問やオンラインサービスを活用して一気にレイアウトを整えるとリバウンドしにくい環境が手に入ります。
「導線ってすごく大事。時間がないならプロに一気に手伝ってもらって、仕組みごと変えるのがおすすめです」

■心と部屋はリンクする
部屋がごちゃごちゃしていると、視界から入る情報が多すぎて頭の中まで散らかってしまいます。「何を先にやろう?」と迷うのは、その混乱が心にも映っているから。
反対に、物の居場所と動線が整うと視線がすっきりし、気持ちまでふわっと軽くなります。「今はこれをやれば大丈夫」と自然に優先順位が見え、子どもへの声かけにもゆとりが生まれます。
「部屋が散らかると優先順位が見えなくなり、判断が鈍る。
整っていれば『我が家はこれでOK』と上手に判断できるようになり、気持ちがラクになります」
■さいごに
おうちを整えて適切な環境が作れると、子どもはいろんなことが自分でできるようになり、ママの気持ちにも余裕ができます。
タイマーを15分だけセットして、目に入る一か所を整える。戻し場所をひとつ決める。
――そんな小さな“できた”の連続が、ママの呼吸を少し深くし、子どもの「自分でやる」をそっと育てます。
思うように進まない日があっても大丈夫。大仕事にしなくてOK、めざすのは“ほどよく回る”仕組みです。がんばりすぎず、あなたのペースで整えていきましょう。
必要なときは、オンラインや訪問などプロの手を借りてもいい。
家族みんなが笑顔でいられる仕組みを、あなたらしく整えていきましょう。
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梶木あきこさん
「おうちを整えて、子どもに成長を、ママに余白を。」を掲げ、子育て家庭向けに訪問・オンラインで片づけを伴走支援。自治体の連続講座も担当。
SNS時代の“完璧”に縛られず、無理なく続く仕組みと関わり方で「できた!」を増やし、ママの負担を軽くします。
梶木あきこさんの詳しい情報はこちらから